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コラム

事業承継税制(特例措置)を使うと相続税・贈与税はどうなる?④

相続税・贈与税

前回に引き続き「相続の場合」の解説です。

< 納税猶予期間中 >

相続税の申告後、後継者が代表者として会社を経営し、かつ納税猶予の対象とした非上場株式等を継続保有することにより、当該株式に係る相続税の100%が猶予されます。そしてこの猶予された相続税がのちに免除されるケースは主に次の場合です。なお、円滑化法の報告期間(原則として相続税の申告期限から5年間)経過後は、その後継者が代表者でなくなることも認められます。

(1)後継者が死亡した場合
(2)特例経営承継期間(相続税の申告期限の翌日から5年間(その間に後継者が死亡した場合にはその死亡日の前日までの期間)内においてやむを得ない理由(※)により会社の代表権を有しなくなった日以後に「免除対象贈与」を行った場合
(3)特例経営承継期間の経過後に「免除対象贈与」を行った場合
(4)特例経営承継期間の経過後において、会社について破産手続の開始決定等があった場合
(5)特例経営承継期間の経過後に、事業の継続が困難な一定の事由が生じた場合において、会社について、譲渡・解散した場合

※後継者において精神障害者保健福祉手帳1級、身体障害者手帳1・2級、要介護5といった状況に至った場合

また、特例経営承継期間内と経過後のそれぞれにおいて、所定の事由が発生した場合には猶予されていた税額の全部または一部を納付しなければならないこととなっています。その所定の事由とは、贈与税の納税猶予の場合と同様ですが、前々回のコラムに書いた内容を再掲することにします。

[猶予税額の納付をしなければならない主なケース(1)・(2)]
(1)特例経営承継期間中
 ① 株式等を一部でも売却した場合   ② 後継者が代表権を失った場合※   ③ 会社が資産管理会社(前回コラム参照)に該当した場合  ④ 毎年、税務署に継続届出書を提出しない場合

※やむを得ない場合(後継者において精神障害者保健福祉手帳1級、身体障害者手帳1・2級、要介護5といった状況に至った場合)を除く。

(2)上記(1)の期間経過後
① 会社が資産管理会社(※)に該当した場合(全部納付)   ② 株式等を一部でも売却した場合(売却した部分に対応する税額を納付)   ③ 3年毎、税務署に継続届出書を提出しない場合(全部納付)

※次の①②いずれかに該当する会社をいう。  ①有価証券、自ら使用していない不動産、現金預金等の特定の資産の保有割合が総額70%以上の会社(資産保有型会社)  ② ①の資産からの運用収入が総収入金額の75%以上の会社(資産運用型会社)