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コラム

事業承継税制⑦ 贈与税の納税猶予(特例措置)適用要件まとめ

相続税・贈与税

非上場株式等についての贈与税の納税猶予(特例措置)の適用要件をまとめてみました。なお以下の要件は「第一種認定」(先代経営者からの贈与)」に係るものですので、「第二種認定」(先代経営者以外の株主からの贈与)の要件は別途ご確認ください。

(1) 対象会社 及び 特定特別子会社※ の要件

※対象会社・後継者・当該後継者の親族その他の同族関係者によって総株主議決権数の過半数を 保有される会社 (「特別子会社」という)のうち、後継者の 親族の範囲が「代表者と生計を一にする親族」に限定されるもの。

☒ 対象会社は、上場会社・大会社・風俗営業会社に該当しないこと。

☒ 対象会社の特定特別子会社も同様。

(2)対象会社の要件

☒ 医療法人でないこと

☒ 経営承継円滑化法上の中小企業者であること(※中小企業基本法の中小企業者とされており、加えてその範囲が拡大されている)

中小企業基本法上の中小企業者ならびに範囲が拡大された業種

☒ 資産保有型会社等(以下の①または②)に該当しないこと。

① 有価証券・自ら使用していない不動産・会員権・絵画貴金属・現金預金・同族関係者に対する債権等(=特定資産)の合計金額が資産総額の70%以上である会社。なおこの割合を算定する際は、判定日前5年以内の後継者一族に係る配当金及び法人税法上の損金不算入給与を加算する(=資産保有型会社)② 上記①の特定資産からの運用収入が総収入金額の75%以上の会社(=資産運用型会社)

☒ 総収入金額が零を超えていること。

☒ 常時使用従業員数(※)が1人以上(対象会社またはそれと支配関係がある会社が、外国会社(対象会社の特別子会社に該当するものに限る)の株式等を有する場合にあっては5名以上)であること。

(※)その数は社会保険各種通知書(日本年金機構発行)で証明する

☒ 後継者以外の者が拒否権付株式(いわゆる「黄金株」)を有していないこと。

(3)(受贈者)後継者の要件

☒ 贈与の時において、後継者・当該後継者の親族その他の同族関係者によって総株主議決権数の過半数を 保有していること

☒ 贈与の時において20歳以上であること。

☒ 贈与の直前において3年以上役員であること。

☒ 贈与の時以後において代表者であること。

☒ 贈与後は後継者と後継者と特別の関係のある者で総議決権数の50%超の議決権割合を確保したうえで、その後継者グループ内で最多議決権を保有することとなること(後継者が2人または3人の場合には総議決権の10%以上の議決権を保有し、かつ、後継者と特別の関係がある者(他の後継者除く)の中で最多議決権を保有することとなること)。

☒ 贈与により取得した株式等を継続保有すること。

☒ その対象会社の株式等に就て「一般措置」の適用を受けていないこと。

☒ 特例承継計画に記載された後継者であること。

(4)(贈与者)先代経営者の要件

☒ 既に事業承継税制の適用に係る贈与をしていないこと。

☒ 過去に会社代表権を有していたこと。

☒ 贈与時点で代表者を退任していること。

☒ 特例承継計画に記載された先代経営者であること。

☒ 代表者であった期間内のいずれかの時及び贈与直前において、贈与者及び贈与者と特別の関係がある者で総議決権の50%超の議決権を保有し、かつ後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権を有していたこと

(5)贈与する株式数の要件

[後継者が1人の場合]

贈与する株式数は発行済み株式総数の2/3から後継者が贈与直前に有している株式数を差し引いた数量以上の株式数であること(贈与直前において贈与者と受贈者の合計株数が発行済株式総数の2/3に満たないときには贈与者の持つ全株式数を贈与すること)。

[後継者が2人または3人の場合]

贈与後の受贈者の保有株式数が発行済み株式総数の1/10以上となるよう、かつ、贈与後の贈与者の保有株式数が受贈者の保有株式数より少なくなるような株式数を贈与すること。

(6)その他の要件

☒ 2018年4月1日から2023年3月31日までに都道府県知事に対し特例承継計画を提出し、確認を受けること。

☒ 贈与年の10月15日~翌年1月15日までに都道府県知事に対し円滑化法の認定申請を行うこと。

☒ 贈与税の申告期限までに、認定書の写し等を添付した贈与税の申告書を税務署へ提出すること。

☒ 猶予される贈与税額とその利子税額に見合う担保を国(税務署)に提供すること。

※納税猶予の対象となる株式全部を担保提供した場合にはその「見合う担保」の提供があったものとされる。