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相続(生前)対策

将来の相続を視野に、お客様にふさわしい対策をご提案させていただきます。
まずは時間制による税務相談1~1.5時間をご予約下さい。お客様のご希望や状況に応じて柔軟に対応いたします。

相続税額を軽減したい

次のような方法があります。

1. 贈与税非課税枠110万円相当額を連年贈与し徐々に財産を減らしていく。
(年月を要しますが最終的には効果が高く税務上も安全有利)

贈与税の基礎控除を利用し、ひとり1年間あたり110万円までの基礎控除額の範囲内で、資産価値が下がらないもの(現金など)を贈与します。贈与の際には、贈与の手続き(贈与契約書に基づき、現金の振込や預金通帳と印鑑の引き渡しを実施すること)に怠りがないようにしましょう。
子供、孫、子供の配偶者、兄弟姉妹、甥、姪、お世話になった他人、など対象者はだれでもよいのですが、贈与を受けた側において、さらに別の第三者から贈与を受けている場合には贈与を受けた財産が基礎控除額を超えてしまい、贈与税の申告義務が生ずることがあるので留意します。また、相続が発生した場合に相続開始前3年以内の贈与分に限っては相続税の課税対象とされます。
この方法で資産を減らすには長期間にわたり取り組むことが必要ですが、各種の節税策がある中で最も節税効果が高い方法と言われています。当たり前の話ですが、基礎控除とはすなわち無税枠、この無税枠の利用を超える節税はあり得ないのです。

2. 夫婦間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除制度を利用します。

これも財産を配偶者へ移すことで、所有資産を減少させる方法です。
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産あるいは居住用不動産を購入するための金銭の贈与があった場合に、贈与税の基礎控除110万円のほかに最高2,000万円までを課税価格から控除できる制度です。
相続税の計算上、相続開始前3年以内の贈与財産を加算する規定がありますが、この配偶者控除制度による贈与財産は加算する必要がなく、この点は大変有利であるといえます。

3. 「評価差額」を利用した節税方法があります。

贈与税の課税上で用いる価額は「相続税評価額」とされます。現預金と異なり、時価と相続税評価額との間には差額( =評価差額 )があるため、時価>相続税評価額 の場合でこの差額が大きいほど、贈与の効果は高いといえます。
たとえば、5,000万円相当を贈与により移転したいとき、現金そのものを贈与しないで、手元現金5,000万円でアパートを建設しこのアパートを贈与すれば、評価額はおよそ2,450万円(固定資産評価額を時価の70%と仮定し満室である場合)と計算されるので、この評価差額( 5,000万円-2,450万=2,550万円 )に係る贈与税の軽減が図られるというわけです。

ポイント

  1. アパート贈与時は、必ず敷金相当額の現金も一緒に贈与するものとお考えください。そうしないと税務上「負担付贈与」扱いになり、建物の評価額を低くする計算が認められません。
  2. アパート建設後、多くの場合に、土地の固定資産税が軽減されるという副次的効果もあります。

4. 優先的に贈与すべき資産があるか、考えてみましょう。

[収益を生む財産]
毎年収益を生む資産、たとえばアパートを贈与すれば、賃貸収入はその後受贈者のものとなり、贈与者の財産の増殖を抑制するための一策となります。
また適用される所得税率について、贈与者より受贈者の方が低いときには、所得税の軽減策にもなります。

[価値が増加する資産]
将来、価値増加が見込まれる財産(確定高利回りの預金、払済保険、好業績の自社株など)を優先的に積極的に贈与します。

5. 贈与で資産を減らす際、誰に贈与すべきか考えましょう。

相続の都度、相続税の納税があると考え、自分の子供ではなく、自分の孫・ひ孫へ贈与します。こうすることで相続税の課税機会が減少します。

6. 相続税計算の際に適用される「小規模宅地等の特例(評価減の特例)」を有効に使えるよう、不動産の在り方、利用方法について事前に計画し、実行してください。

小規模宅地等の特例とは、被相続人等の居住用宅地(330㎡まで)や事業用宅地(場合に応じ200㎡または400㎡まで)の評価額を80%(あるいは50%)減額するというものです。
特例の適用要件が細かく定められており、この要件を満たさないとこの特例は利用できません。
たとえば居住用宅地を配偶者が相続せず、同居していた子供が相続したとすると、相続税の申告期限まで引き続きその子供が居住していれば特例が適用されますが、申告期限までにその物件を売却したり、子供が転居すると特例は使えません。
また、被相続人が老人ホームの終身利用権や所有権を購入してそのホームで亡くなった場合、住んでいた居宅の敷地は2つの要件(①被相続人に介護が必要なため入所したものであること、②その家屋が貸付等の用途に供されていないこと)を満たす場合に限り本特例の適用が可能です。

7. 生命保険金の非課税枠を利用しましょう。

「500万円×法定相続人数=生命保険金の非課税限度額」までは生命保険金は課税されません。「非課税措置」ですから単純明快な節税策なのですが、意外なことに現実には多くの方がこの非課税枠全部を利用するほどの保険金収入がない、という実態があります。
現金500万円を残して課税されるより、この現金を保険に払い込んで非課税で同額(またはそれ以上)を受取るほうが有利です。
また、保険金には次のようなメリットもあります。
遺産分割協議が終了しないと、遺産(現預金)を分配できませんが、保険契約はあらかじめ受取人が指定されていることから遺産分割協議の行方にかからず相続開始後間もなく受取人に現金が入ります。
遺産分割に時間がかかり申告期限(相続開始10カ月後の応答日)までに分割協議がまとまらず、遺産分配ができない(遺産中の現預金を利用できない)場合でも保険金を納税資金として利用できます。
遺言までは考えていない、という場合に、お金に名前を付ける感覚で死亡保険金の金額と受取人を決めて保険契約を締結します。保険金の受取りを通じ、遺言に似た効果がもたらされます。

8. 納税猶予制度を使う余地があるか、検討しましょう。

納税猶予制度とは、所定の状況にある者が所定の財産を取得した場合、その者の相続税(贈与税)額について納税期日を一定期間まで延ばしますよ、さらにはその者が死亡した場合には納税を免除しましょう、という制度です。
次の3つの制度がありますが、事前手続きが必要であるなど、いずれも厳格な適用要件がありますので、利用に際しては十分に検討する必要があります。

(1) 農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予

(2) 非上場株式等についての相続税の納税猶予

(3) 山林を相続した場合の納税猶予

会社経営者、個人事業者の場合は?

1. 事業の承継について

会社経営者、個人事業者の方は、その事業承継の必要性を検討します。
必ず承継してほしいと考えるときには、「誰に」「いつ」承継させるか決定するべきです。といっても相手あってのことですから、その候補者と十分コミュニケーションをはかり候補者がゆるぎない気持ちで承諾の意思を表示したと感じるまで、突っ込んだ話し合いを繰り返すことが肝心です。
また、一度候補者を決定したら、候補者を信頼して部分的・段階的に(一定の時間を経ながら、一定の業歴を積ませて)権限移譲を行います。時折、後継者が決まっているにもかかわらず、この「権限委譲」が行われないままに曖昧な数年~数十年が経過しているケースがありますが、社長になるための武者修行の時間と機会を失っていると言え、とてももったいないことです。
なお、事業承継の問題をクリアしないまま、資産対策を進めること自体は可能ですが、大抵の場合、株式所有割合(=経営権)の問題、身内役員・社員の処遇問題などで後々に事態が複雑化する可能性があるとともに、税額の計算にも影響が出ることは否めません。
ところで事業承継の必要性がない場合はどうしたらよいでしょうか。この場合は事業の行方について撤退時期と方向性を検討してください。
資産の売却、債務全額の償還時期、役員・従業員の退職金、許認可事業の免許取り下げ時期、各種契約(取引基本契約、賃貸契約、リース契約など)の顛末、 などが検討項目です。その結果、会社の資産であっても個人の財産目録に加えておくべき財産が出てくることがあります。

2. 自社株をどうしたらよいか

自社株の相続税評価額が高いからといって、贈与して自己所有株数を減らすことだけにこだわってしまうと、最も大切な「経営権」のことを後回しにしてしまい、後継者以外の、経営に関係しない複数の親族に株を分散させてしまい、大勢の株主ができてしまうことがあります。これが最も回避しなくてはいけない事態であって、経営権のことを念頭に置いたところで考えうる対策のみが有効だと知るべし、です。

自社株が高い時は、配当すると一般的にはに株価は下がります。これがまず基本的な考え方です。
配当所得は総合課税により課税されますので、所得税・住民税の負担は免れませんが、法人にある現預金(だけとは限りませんが・・・)が個人に移転することでずっと柔軟な対応策を取ることができます。
また、ここで注意したいのが、自社株の評価に際して通常配当は類似業種比準価額を引き上げる要素である、ということをご記憶ください。よって通常配当では配当しないで、特別配当・記念配当というかたちで配当することを考える必要があります。

また、所有する自社株を当該法人に自己株式として購入させる方法もあります。この場合には配当同様の経済的効果が株主に生じるため、譲渡者にはみなし配当所得として課税があります。
通常の配当と異なるところは、基本的に全株主が対象である配当とは異なり、株式の譲渡者のみが当事者であること、手元の株式数が減少すること、などが特徴です。

次に、法人に利益が出ないようにする、という対策を取ることがあります。私的には法人に利益が出ないようにする行為自体にいささか違和感を覚えるのも事実ですが、株価引き下げ以外のメリットが見出せるのであれば、【会社分割】や【事業譲渡】を視野に、高収益部門を本体から切り離す対策をとるのも一案です。

いずれにしても前述したように「経営権の安定」を損ねることのない慎重な対策が必要です。特に従業員や取引先が多ければ多いほど、その法人の公共性は高く、いずれの対策時においても利害関係者間の調整にあっては公平で慎重な手続きが踏むことが望まれます。