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コラム

2020年から夫婦間の申し合せがポイント?

所得税

令和元年度税制改正により、居住者の配偶者が、扶養控除等申告書等に記載された源泉控除対象配偶者がある者として給与等または公的年金等に係る源泉徴収の規定の適用を受けている場合(その配偶者がその年分の所得税につき年末調整又は確定申告を済ませた者、もしくは決定を受けた者である場合を除く)には、その居住者は確定申告において配偶者特別控除の適用を受けることが出来ないこととされた(所法83の2➁)。
具体的には、源泉控除対象配偶者があるとして源泉徴収を受けていて(=税負担が軽い)なおかつ年末調整や確定申告を通じた所得税の精算を終えていない配偶者をもつ人は、自身の確定申告において配偶者特別控除は適用できない、ということになる。
この改正により今後の確定申告において配偶者特別控除を受けるためには、その配偶者の源泉徴収の状況や年末調整・確定申告の有無とその内容を確認する必要が生じ、実務上は本人の確定申告時に「配偶者の源泉徴収票または確定申告書」を参照して上記要件を確認出来る場合に限り、適用可能となる。

また上記に加えて、居住者の給与等又は公的年金等の源泉徴収を行う際においても、夫婦のいずれか一方しか適用できないこととする改正もあわせて行われている。(所法186の2、190、203の4、別表第2~別表第4)
たとえば、妻を「源泉控除対象配偶者」と記載した扶養控除申告書を提出済み(=妻を扶養人数にカウントして源泉徴収されている)の夫のその「妻」が、自分の扶養控除申告書に夫を「源泉控除対象配偶者」であると記載し扶養人数1人とカウントして源泉徴収を受けたならば、その反射で夫側では妻を「扶養1」と数えることを止めて源泉徴収税額を算出(=以前よりも高い税額に)することになる。
給与所得ではこうした事例はさほど多くはなかろうが、400万円以下の申告不要制度がある公的年金等の分野では、源泉徴収のみで課税関係が完結する納税者も多いことから、配偶者控除関連税制の改変を機に、源泉徴収事務機能の適正化を図りつつ不正な源泉所得税逃れが生じないよう整備したのものと思われる。

なおこれらの改正は令和2年分以降の所得税から適用される。

◆参考◆
★★控除対象配偶者★★★
合計所得金額が1千万円以下の居住者と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が48万円以下である人。

★★同一生計配偶者★★★
居住者と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が48万円以下である人。
この「同一生計配偶者」は、配偶者控除に居住者の所得制限の要件が及ぶようになった平成30年分以降、新たに設けられた概念だ。
この概念を設けた上で障害者控除の適用対象者を従来の「本人・扶養親族・控除対象配偶者」から、「本人・扶養親族・同一生計配偶者」に改めている。すなわち、合計所得金額が1千万円超の居住者でも障害のある配偶者について従来通り障害者控除の適用が可能だ。

★★源泉控除対象配偶者★
合計所得金額が9百万円以下の居住者と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が95万円以下である人。
源泉徴収時に扶養親族数にカウントできるのはこの「源泉控除対象配偶者」だけであり、上記の「控除対象配偶者」や「同一生計配偶者」に該当するだけでは扶養親族数に加算することはできない。